2010年02月28日

教授就任記念インタビュー!服飾デザイナー・鶴丸礼子さん

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服飾デザイナーの鶴丸礼子さんがウラハラ藝大教授に就任されました!

教授就任記念インタビューです。

インタビュアー・瀬尾泰章

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鶴丸さんが服飾デザイナーを目指したきっかけって何だったのですか?

高校を卒業する前に私は、シンガーソングライターか、メイキャップアーティストか、服のデザイナーの、どれかになろうと決めていたんです。で、いろいろ考えた結果、小さい頃から母親の影響で服は作って着るものだって思っていたし、服づくりが一番合ってるんじゃないかな・・・と思って。短大を出て、服飾の専門学校を卒業し、ジバンシーのオートクチュールの門をたたいて、そこで採用されたってことが服飾デザイナーとしてやっていくきっかけとなりました。

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服作りをしていて楽しいところってどんなところですか?

これは子どものころからの癖なんですが、人の話を聞いたり、本を読んだりするとすぐにそこの場所に行ったり、映像が出て来たりするんです。勿論想像の中ですけどね。例えば、生地屋さんに行って生地を見たときなんか、『あっこれでワンピース作ろっ』とか、『これでシャツ作ろっ』とかね。そのモノが頭の中で、勝手にできあがっちゃうんですよね。自分の作りたいものが作れるから楽しいんですよ。でも一番楽しいのはやっぱり、デザインを決めてから製図をするまでかなぁ・・・。製図さえすれば、あとは誰が裁断して縫ってもできちゃうから、やっぱり製図までがほんと楽しいですね。

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鶴丸さんの服のキーワードとして "着る薬" というのがありますが、どういう想いからこのキーワードがつけられたのでしょうか?

この話は長くなっちゃうんですが、建築がものすごく好きで建築デザイナーにも憧れがあったんですよ。もともとオートクチュールをやってて、そんな中でもインテリアコーディネーターの学校とかにも行ったりしていたんです。2足のわらじで建築の仕事とファッションの仕事を両方やっていた時もあるんですね。その頃、世の中にバリアフリーっていう概念が入ってきたんです。高齢化にむけて建築の中に床をフラットにしなければいけないとかね。その頃、ある建設会社のコンサルをやってて、バリアフリーのモデルの家を造ったんです。障がいのある高齢者が暮らすという想定でね。

そしてそこに実際に暮らす人は、こういう服しか着られないとか、介護用の専門店ではあまり気に入るデザインのものがなかったり、ものすごく高かったりっていうのを知った時に、ハンディを持った人とか、寝たきりの人とかの服も作っていかないといけないんだって気付いて、ものすごく反省しました。それまでは、ギャラリーで創作服の個展ばかりしていましたから・・・。

それから、体にハンデがある人の服の注文が来るようになって、どんどん作っていく訳ですが、『ここがちょっと開きにくい』とか、『これではちょっと股上が浅すぎる』とか、自分でボタンが留められないとかね、modifyっていうんですけど、何度も何度も作り直さないと本当にこれで良いって言ってもらえないわけなんです。

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実際問題そんなんこんなで、最初はなかなかオッケーが出なかったたりするんで、もう本当に時間だけたくさん遣って全然お金にはならないんです。お客さんにね、『これなら大丈夫。ありがとう』って言われた時の嬉しさ、充実感っていうのはね、今までの感覚とは全く違って物凄くやり甲斐を感じたんです。お金にはならないんだけど、喜びが大きいっていうのにすごく引っ張られていっちゃて もう十数年ハンディを持った方々の服を主に作って来ましたね。

それで、あるお医者様ばかりに向けて講演した時、中国人のお医者さんから、『あなたの作る服は、日本の莫大な医療費を削減できる』って言われたんです。これって薬と同じような役割をするんだな・・って、逆に知らされたって言うか。

車いすの方が私の服を着てくださって、鏡を見た瞬間思わず立ち上がって自分の姿に釘付けになったり、ハンディを持った方が、おしゃれをするようになって、痛み止めの薬が減ったり外へ積極的に出かけるようになったり、そういうのを見たり聞いたりしているうちに、服ってカンフル剤なんだな・・と。だから『服は着る薬』っていうことを私のライフワークのなかのキーワードとして使っているんです。

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ここ、原宿、裏原宿ってどうですか?

30年前だったら、私はほんとたむろしてたと思いますね。もう私はここの街にマッチする年齢の倍以上になっているんですけどね。だけど感覚的には変わらないですよ。感性っていうのはまったく歳に関係ないから、そういう雰囲気のなかでやるっていうのも楽しみだし、2週間に一回のクラスですので、ここに来る日はあちこち見ながら辿りつくのも楽しみですね。

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今の若者のファッションってどう思いますか?

う〜ん・・。こればっかりは時代の流れですからね。要するに『ファッション』とは、『知っているかどうか』って事なんですよ。私たちが若かったころ受け入れられていたものとは違うものが今受けているっていうのは自然なことなんだなと感じるんですよね。

でもね、大学とかで教えている時に学生が持って来てる雑誌を一緒に見てると、ああ超かわいい〜!とかって言ってるの。えっ?どこがかわいいの?って思ってしまうんだけどね(笑)それがジェネレーションギャップですよね。私なんかが見ると、昔着たような服で、インパクトも何もないのになと思うんですが、学生たちはなんとなくこれいいとかね、多分その子たちの年齢にあった芸能人とかが、身につけているものが彼女たちの脳裏に情報として入っているので、見た事がある、知っているってことが、今の若者のファッションになってますよね。

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ウラハラ藝大では、どんなクラスにしてゆきたいですか?

まず針に糸を通して玉留めを作る。洋服を作った事のない人なんかに、その玉留めの作り方から教えるんです。それは小学生でも大学生でも、プロの人にもまずこのオートクチュールのやり方を教えます。これが完璧にできるようになってから、基本的な縫い方をやります。もちろんミシンを使えば上手くできるんですけど、手縫いでも十分にできるので、わざわざミシンなんか揃えなくても、針と糸だけでテーブルの上でできちゃうんですよね。

結構多いんですが、男の人って背広のボタンがとれたら、つけるのめんどくさくて着なくなっちゃたり、裾が落ちてきたらもういいやってなっちゃったりするんだけど、ホントは自分で出来るそういう基本の部分から教えて行きたいですね。

出来るようになると物凄く楽しくなちゃって、ボタンがつけられるようになったら、もう楽しくて、ボタンがなくなっている服がないかってわざわざ探してみたりね。破れたのを補修するやり方を覚えると今度は、わざとジーパンが破れているのを買って着ているのに、それを縫いたくなったりとかね。男性は特にはまっちゃうんですよね。

まず洋服っていうのは難しい、っていう概念が取っ払われて、彼女のワンピースを作ってあげたいとか、子どもの服作ってやるんだっていう方々がでてきたりするんですよね。男の人がフツーに服を作れるって、なんかいいな〜と思います。

ベーシックな事なんだけど、洋服って簡単なんだってことを知ってほしいですよね。こうやって作るんだ!ってね。プロの方にも来ていただいてもいいですし・・・。基本に帰るっていうのか、なんでもそうですけど、基本がきちっとしていないと、行き詰った時に帰るところが無くて、たださまようだけでしょ? 基本というものから教えてあげて、そこからもっと本格的にやりたいってなったら、鶴丸式製図法を知ってもらったりしたらいいなと思っています。創りたいものの製図は私が手伝うんですが、製図から勉強したい人には、一度の採寸で正確な原型が製図できる、世界でひとつしかない鶴丸式製図法を教えていますよ。

『衣食住』の中で、食は結構みなさん料理はしますよね。住も今ではDIYとかでさかんに何か造ったり家具まで創る。でも、衣に関しては自分で・・というところまで、なかなかスムーズに入れないでしょ?プロのピアニストとかバイオリニストとかは、大抵3歳くらいから始めてる。でも、プロのデザイナーで、3歳から服作ってましたって人は、あんまり聞かないんです。だから、私は3歳から始めたほうがいいと思ってるんです。

ここ原宿、裏原宿を歩いていても、ほんと服のお店多いですよね。店員さんが服づくりの基本を学んでくれたら、ちょっとした補正も出来るし、出来上がるまでのプロセスを知って貰えたら、その服の価値感も分かってくるんじゃないかな?

僕でもできますか?

もちろん。半年で服つくれるようになると思いますよ。

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鶴丸礼子

服飾デザイナー。厚生労働大臣認定1級技能士。同認定職業訓練指導員。ジバンシーのオートクチュールを経て独立。創作服の個展、数十回開催。『3歳からの洋裁教室』『鶴丸式製図法によるプロ育成』『障がい者衣服開発』を専門とし、特許も数件取得。元東京医科歯科大学大学院講師。短大・高校などの介護福祉科で講師を務める。

受講はいつから始めても大丈夫。それぞれ個人のペースに合わせて進めて行きます。

創りたいものが必ず創れるようになります。どんな人にも、まずオートクチュールの縫製方法から教えています。あなたが創りたい、服や小物を手縫いで作ってみませんか? 『洋裁はこんなに面白くて簡単なんだ!!』と、きっと思えます。『出来る自分』『スゴイ自分』を発見して下さい。男性も大歓迎。体に障がいのある人の服も大丈夫。まずは縫いたいものを決めて来て下さいね。『寝たきり用オムツカバーからウエディングドレスまで』世界で一枚だけのオリジナルの服を、あなた自身の手で。

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