2011年06月01日

いまいち、という地から

写真・記事:瀬尾泰章

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大分県にある、鶴丸礼子教授の工房を訪ねた。

大分市内から車で45分。地理的には県のちょうど真ん中に位置する、いまいち(今市)という街に工房はある。その昔、宿場町として栄えた。今ではこの街の石畳(全長660m)が、県の名所の1つになっている。山間の街、日本むかしばなしにでてきそうな、ふく風はとても穏やかで、野鳥のなきごえが耳にやさしい、なんかそんな場所だ。

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この場所に住み込みで服作りを学ぶ1人の青年がいる。

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安東大輔さん、25歳。

服飾の専門学校を卒業したが、技術に納得いかず、鶴丸教授の元、服作りの”基礎、技術”を一から習いなおしている。

ここでいう”基礎、技術”とは、鶴丸式製図法のことをいい、一度の採寸で補正の要らない正確な原型がつくれるというものだ。服作りは製図が命。個人個人の身体にあった採寸、そして製図なくして正しく身体にあった服は作れない。1着作るのに採寸する箇所は40以上である。

原型とは、その人の皮膚を剥がしたものに等しくなければならい。つまり、原型とは第二の皮膚。鶴丸教授の服作りの感覚としては、まるい地球儀に、ぴったりと確実に皮膚を張っていくようなものだという。その例えに素直に納得できた。

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今の安東さんは、朝、昼、晩と、ピン打をひたすら訓練する毎日である。

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黙々と作業をするのが好きなんです、という安東さん。つくる過程が何より楽しいという。どんなデザイナーになりたいですか?という質問に、技術をしっかり持った人になりたいです、と答えてくれた。

国が認める資格、厚生労働大臣認定の1級技能士をとってほしいんです、鶴丸教授はいう。

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来年の6月にはここ、いまいちの工房で個展をやることになっている。卒業発表会といってもいいのかもしれない。確実な技術を培い、そしてここ いまいちの素晴らしい環境の中での生活で得た感覚で、『服飾デザイナー・安東大輔』として巣立っていかれることを楽しみにしたい。

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いまいち、という地から。

※ウラハラ藝大事務局ページより
http://urahara-geidai.sblo.jp/article/44535834.html?1306893019
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