2016年11月30日

鶴丸メソッドメディカルファッション写真集製作

文章:瀬尾泰章
写真:写真集製作スタッフ

大分県竹田市直入町。ここは長湯温泉で有名な地区だ。
大分市中心部からは車で約1時間の山間にある。

この自然豊かな場所で、鶴丸礼子さんがこの夏スタートされたのが「鶴丸メソッドメデカルファッション」という、服飾技術者育成のための基地(センター)だ。





この夏、取り組んできたのは、写真集製作。真夏の暑い中、鶴丸さんが作られた服を着て、9組の写真撮影を行なった。この写真集の目的は「誂え服にも「保険制度が適用」されることを目指す」意味があり、それは “正しく服” が作れる多くの服飾デザイナーを育て、それによって身体にハンディを抱えた方々が誂え服を着ることができ、より外出を楽しめるようになれる、そういった社会づくりを目指すものだと理解した。



鶴丸さんの服は、国内外からも注目を浴びている製図法で作られる。「鶴丸式製図法」といい、どんな体型の人に対しても、精確な原型の作図が一発で出来る製図法だ。この春には “「鶴丸式製図法」を開発し、障害者向けの服のデザイン、普及に努めた”、と高く評価され「吉川英治文化賞」も受賞された。

写真撮影は、竹田市直入町を中心に市内の各地で行った。「服は着る薬」これは、鶴丸さんが代表を務める一般社団法人の名前だ。鶴丸さんの服を着てられる方々(身体に障害を持った)に話を聞くと、皆が口を揃えて、鶴丸さんの服で「ファッションをより楽しめるようになった」とか「外に出て行く回数が増えた。私をみて!という気持ちになった」などと言われていた。自分自身の体にパーフェクトにあった素敵な服を着ることによって、ポジティブになれる、服で人生が変わるというのを実感されている印象だった。

「服は着る薬」本当、その通りだと思う。



















※撮影風景の動画(音量にご注意ください)※映像:写真集製作スタッフ



11月はじめには「きらめくわたしのファッションショー in 竹田」と題した、ファッションショーが、直入町の会場で行われた。写真集でモデルとして出演していただいた方々も、ランウェイを活き活きと進まれていたのが印象的だった。

















写真集が出来上がるのは、2017年春の予定だ。鶴丸さんの服を着て、自信に満ち溢れたみなさんの姿を是非見ていただきたい。

“恋もすれば、おしゃれもしたい、好きな方はタバコも吸う。もちろんだ。
今回の写真撮影では、そんな当たり前のことを『当たり前なこと』だと再認識させてもらった。みんなポジティブだ。本当にポジティブだ。どうせ目立つなら、もっと目立ってしまおう!そんなことを言っていた。とことんオシャレして、とことん目立つ。身体に障害を持つ人、持たない人、みんなちょっとづつ違うけど、みんな同じ。みんな同じ日々を生きている。”
posted by tsurumaru at 23:53| ウラハラ藝大事務局ブログより

2016年05月17日

お知らせ

本日発売(関東、関西)の『週刊女性』の「人間ドキュメント」に掲載されています。どうぞご覧ください。

※九州は19日(木)発売

2016年04月13日

吉川英治賞 贈呈式!

写真・文:瀬尾泰章



4月11日(月)、平成28年度の吉川英治賞(吉川英治国民文化振興会主催)の贈呈式が、東京の帝国ホテルで開かれ、服飾デザイナーの鶴丸礼子さんが、第50回吉川英治文化賞を受賞されました。



気持ちの良い青空のこの日、メディア発表で約700名の関係者、報道陣が集まり、盛大に行われました。





鶴丸さんが受賞されたのは、日本文化の向上に尽くした人・団体に贈られる、吉川英治文化賞。長岡の花火師の嘉瀬誠次さんや、あしなが育英会の会長の玉井義臣さんらと共に受賞です。

鶴丸さんは「鶴丸式製図法」を開発し、障害者向けの服のデザイン、普及に努めた、として高く評価されました。







『まだ道半ばです』、と何度もメディアや関係者に言われていました。『鶴丸式製図法』を学ぶ、多くの職人を育てるという、大きなミッションが待っている、受賞の嬉しさと共に、これからだ!という引き締まった鶴丸さんの表情がとても印象的でした。

4月20日には、大分県竹田市に『鶴丸メソッド・メディカルファッション』スクールが開所する。まさにこれからがスタート!なんです。

身障者衣服に介護保険適用を。
技能士認定制度に身障者衣服製造を。





贈呈式後に行われた祝賀会にも、多くの著名な文化人が集まり、受賞者を祝いました。鶴丸さん(留袖のリメイクドレス)と鶴丸さんのお母様(訪問着のリメイクドレス)との2ショット。

素敵です!

吉川英治文化賞、本当におめでとうございます。



大分合同新聞記事はこちらから...

posted by tsurumaru at 02:25| ウラハラ藝大事務局ブログより

2016年03月07日

NEWS!

3月3日発表されました、第50回吉川英治文化賞(吉川英治国民文化振興会主催)を受賞されました!おめでとうございます!!詳しくは、下記リンク他、各メディア等ご覧ください。(ウラ藝事務局より)

https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/03/04/002116145

2016年01月14日

2015年12月28日

BSフジ「一滴の向こう側」放送

4210_01.jpg
※BSフジ番組公式HPから

こちらからご覧いただけます。

http://www.bsfuji.tv/itteki/archives/sp001.html
posted by tsurumaru at 09:43| ウラハラ藝大事務局ブログより

2015年05月25日

デザイナーはあなた

『第1回きらめく私のファッションショー』で披露する服のデザインを募集しています。詳しくは、紙面をごらんください。(紙面画像クリックで大きく表示されます)締め切りは、6月30日(消印有効)です。

420_IMG_4567.jpg

大分合同新聞 5月21日朝刊

2013年04月02日

【レポート】天職と出会う瞬間。

写真・記事:瀬尾泰章



作品が完成した。



納品前にお店前で、最後の手直しをする、三浦摂子さん。
教授・鶴丸礼子さんの生徒さん(お弟子さん)だ。

生地が手元に届いてから、2日間で仕上げた。
実は、輸入カーテンを扱うインテリアショップから、カーテン生地を使って、お店のクリスマスのディスプレイ用にドレスを作ってほしいという依頼が摂子さんのところにきたのだ。

摂子さんが、鶴丸さんに出会ったのは今年の2月。
弟子入りし、本格的に習い始めたのは5月の事だ。

弟子入りしてから約半年強、これほどの作品ができるのは、驚きだ。



この作品ができる数週間前、摂子さんは鶴丸さんのアトリエ兼ショップで、手を休める事なく、ひたすら仮縫いのピンワークを進めていた。

現在、摂子さんは41歳だが、31歳の時に決めていた事が1つあったという。

それは41歳までに10年かけ自分の「天職を見つけ、身につける事」。しかし天職というのは、そうは簡単には見つからない。いくつかの事にチャレンジし、やりがいを見つけようと努力したが、今ひとつしっくりくるものが見つからなかった。そして気がつくと39歳になっていた。

あと1年で40歳、ハッとし、焦りに焦ったのだ。焦って、焦って、真剣に悩む日々。そんな姿を友達が見かね「もっと今の時間を大事に生活してもいいんじゃないの」と言った。「そうだなあ」とも思うようになり「天職を見つけたい、身につけたい」という気持ちが、ぼんやりと消えかかってしまっていた。



今年2月、たまたま通りかかったのが、鶴丸さんのお店の前だった。

その頃ちょうど自身の体調不良の事もあり、19年間勤めた職場を退職する時が翌月に迫っていた。さて、これからどうしていこうか。ぼんやりと思う日々の中での出来事だった。

「何かオーダーメイドのお店ができているなあ」

そう思いふらっと中に入ると、そこに広がるのは、何か懐かしい、何故か馴染みのある、光景だった。「これだ!」一気に世界が開けた気がした。実は、摂子さんの祖父は、昔、洋服の仕立て屋さんだったのだ。この雰囲気、この環境、小さい頃訪れた、おじいちゃんのお店の記憶がよみがえったきた。

その後、摂子さんは、鶴丸さんに駆け寄り、質問攻めにした。「彼女のその時の行動、言動はおもしろかった」そう、鶴丸さんは、その時の状況を振り返るが、興奮が、感激が、溢れ出ていたのだろう。鶴丸さんに見せてもらったピンワークは神業で、涙がでるくらい感動したという。

「この人に弟子入りしたい!」

摂子さんはその瞬間、行く末の事まで決めてしまったのだという。10年間探し続けていたものが、この場所にあったから。



弟子入りしてから、教えてもらういろいろな事。鶴丸さんの「鶴丸式製図法」は、はじめ何を言っているのか、さっぱり分からなかったという。簡単にいえば、一度の採寸で正確な原型が製図できる、多くの大手アパレルメーカーも認める製図法なのだ。

今、洋服の専門学校で2年間学んでも、製図の1つもできない学生ばかりが卒業していっている状態で「なんちゃってデザイナー」をあまりにも出し続けている事に、鶴丸さんは疑問を呈している。「鶴丸式製図法」を服作りの「世界標準にしたい」鶴丸さんは、そういう想いで指導にあたっている。摂子さんも、その世界標準を今身につけているのだ。

国家資格である「厚生労働大臣認定1級技能士」も、最終的に目指す。それでこそ、初めて胸をはって「私は服飾デザイナーです」と言えるのだという。

一人前になるまでに、普通10年かかるといわれる、こういった技術職。
「私は、2年で身につける!」摂子さんは熱い。





納品のこの日。運び込まれた作品にお店の方たちが、目をまるくして集まってきた。
嬉しさと、すこしの恥ずかしさと。



今年、天職はみつかった。
摂子さんの「身につける!」は、今からが勝負だ。



2012年01月30日

大人の家庭科・鶴丸礼子教授のSHOPオープン!

写真・記事:瀬尾泰章



昨年末(2011.12)、鶴丸礼子教授のショップ「服は着る薬」が、大分市の府内町にオープンした。

この日は、鶴丸教授の生徒さん、安東大輔さんが今年6月(2012)に行う初の個展の打ち合わせに来ていた。デザイナーデビューに向け、着々と力をつけてきた安藤さん。

「個展は恥をかくところ。最初からうまくいかなくていいの。今回は安東君を皆さんにお披露目することが目的。2回目の個展が大事よ。」

そう、アドバイスする、鶴丸教授。

6月の個展に向け、ユニセックスの服、6パターンで各5着、計30枚を仕上げる予定だ。

鶴丸教授のお店は、工房にもなっていて、お店に行くと、制作風景が見れる。安東さんのような生徒さんも出入りしていて、すごく創作のエネルギーがあふれる場所だ。























オードリー ヘップバーンが着ていた服を着たいというお客様からのオーダーがきていた。

右手の服が、現在製作中のものだ。オードリーファンにとってはたまらないだろうと思う。

服だけではない、バッグやクッションなども鶴丸教授の作品だ。



服は着る薬

ウェディングドレス、スーツ、着物リメイク、
身障者衣服のオーダーの他、シーズンごとの創作服の個展も開催。

〒870-0021 
大分市府内町1-4-20

http://www.kirukusuri.com/

生徒さん(旦那さんになる方)が花嫁のウェディングドレスを製作中。自分で創るウェディングドレス講座も行っている。写真提供:鶴丸礼子

2011年06月01日

いまいち、という地から

写真・記事:瀬尾泰章

_MG_4873.jpg

大分県にある、鶴丸礼子教授の工房を訪ねた。

大分市内から車で45分。地理的には県のちょうど真ん中に位置する、いまいち(今市)という街に工房はある。その昔、宿場町として栄えた。今ではこの街の石畳(全長660m)が、県の名所の1つになっている。山間の街、日本むかしばなしにでてきそうな、ふく風はとても穏やかで、野鳥のなきごえが耳にやさしい、なんかそんな場所だ。

_MG_4866.jpg

この場所に住み込みで服作りを学ぶ1人の青年がいる。

_MG_4812.jpg

安東大輔さん、25歳。

服飾の専門学校を卒業したが、技術に納得いかず、鶴丸教授の元、服作りの”基礎、技術”を一から習いなおしている。

ここでいう”基礎、技術”とは、鶴丸式製図法のことをいい、一度の採寸で補正の要らない正確な原型がつくれるというものだ。服作りは製図が命。個人個人の身体にあった採寸、そして製図なくして正しく身体にあった服は作れない。1着作るのに採寸する箇所は40以上である。

原型とは、その人の皮膚を剥がしたものに等しくなければならい。つまり、原型とは第二の皮膚。鶴丸教授の服作りの感覚としては、まるい地球儀に、ぴったりと確実に皮膚を張っていくようなものだという。その例えに素直に納得できた。

_MG_4734.jpg

今の安東さんは、朝、昼、晩と、ピン打をひたすら訓練する毎日である。

_MG_4861.jpg

MG_4733.jpg

MG_4790.jpg

_MG_4804.jpg

_MG_4876.jpg

黙々と作業をするのが好きなんです、という安東さん。つくる過程が何より楽しいという。どんなデザイナーになりたいですか?という質問に、技術をしっかり持った人になりたいです、と答えてくれた。

国が認める資格、厚生労働大臣認定の1級技能士をとってほしいんです、鶴丸教授はいう。

_MG_4887.jpg

来年の6月にはここ、いまいちの工房で個展をやることになっている。卒業発表会といってもいいのかもしれない。確実な技術を培い、そしてここ いまいちの素晴らしい環境の中での生活で得た感覚で、『服飾デザイナー・安東大輔』として巣立っていかれることを楽しみにしたい。

_MG_4894.jpg

いまいち、という地から。

※ウラハラ藝大事務局ページより
http://urahara-geidai.sblo.jp/article/44535834.html?1306893019

2010年12月01日

取材、鶴丸教授(ウラ藝ダイアリーより抜粋)

2_MG_3190.jpg

11月11日は、介護の日だった。
ヤクルトホールで、がんばらない介護生活を考える会による「介護の日」セミナーがあった。イベントにブースを出されていた、鶴丸礼子教授を訪ねた。

_MG_3185.JPG

熱心な参加者に囲まれて、熱心に説明する鶴丸教授。

鶴丸教授はいう、

”からだの不自由な方の服って高いし、デザインも楽しくない。もっと社会が、機能的で楽しい服がたくさん作らないといけない。そしたら、からだの不自由な人だってもっと積極的に出かけていけるのに” 

と。

ホテルにしても、なぜか車いす専用の部屋は割高のホテルが多いらしい。

_MG_3179.JPG

いろいろと興味深い話を聞く事ができたが、どれも考え深いな、と思う。

_MG_3192.JPG

と、隣のブースをみると、鶴丸礼子教授デザインの巾着袋を発見。
『謝』の文字の柄の巾着袋がオマケに付いた大人用紙オムツ「アテント薄型パンツ」が全国発売されている。

『謝』とは、自分がお世話になった親に対して、感謝の気持ちでお世話をさせて頂くという意味を込めて、オムツ入れの巾着袋の柄を『謝』の文字されたようだ。

是非、お店で鶴丸教授をみつけてみてください。